明治5年（1872年）、明治政府は「学制」を公布し、教育改革を行います。その基本は、欧米を見習い、男女に教育の機会を均等に与えることでした。しかし、多くの女子は、自分の弟妹の子守や貧困のため奉公に出されるなど、 社会的に通学が困難でした。

このような時代背景の中、明治34年（1901年）、木村貞子氏を中心とする志ある婦人たちが結集し、社会的に立場の弱い女性の擁護と救済を目指した「會津婦人會」が設立。ここに、現在まで受け継がれることになる「小さな愛の灯」がともされました。

その翌年の明治35年（1902年）には、役人らの子供を世話する10代の子が乳幼児を背負ったまま学べる「子守学校」を設立、家庭や経済的理由で通学できない子女のための保護活動を始めました。

子守学校から始まった活動は次第に広がり、大正14年（1925年）、會津婦人會の創立25周年を記念して託児事業を開始、児童福祉を目的とする保育園の始まりとなりました。

その後、児童数の増加で手狭になったため、会員の積立や寄付により、昭和8年（1933年）に會津婦人會隣保館（三銭幼稚園）を建設、定員73名の児童で開所しました。

そして、昭和33年（1958年）には社会福祉法人の認可を受け、「会津婦人会保育園」となり、現在まで3,000名を超える卒園児を送り出してきました。

平成13年（2001年）、會津婦人會は創立100周年を迎え解散となりましたが、その活動は会津婦人会保育園に引き継がれ、一時預かり、子育て支援センター事業を開始するなど、設立当初の志は脈々と受け継がれてきました。

令和3年（2021年）には法人名を「社会福祉法人にじの花」に変更するとともに、幼保連携型認定こども園の認可を受け、「やまがみらいこども園」として新たな歩みを踏み出しました。

明治、大正、昭和、平成と100年の歴史を刻んできた會津婦人會。その「小さな愛の灯」は令和となった今も、そしてこれからも、大切にともされ続けていくでしょう。

會津婦人會の概要

■ 創　立

明治34年（1901年）5月20日　会津若松市馬場名古屋町万福寺において発会

■ 設立者

木村貞子および有志一同

■ 設立目的

婦人の修養と体位の向上、社会の浄化

■ 事業内容

① 教化事業、救護事業、保育事業
② 講演会、講習会、見学会、遠足、旅行会
③ 追悼会、茶道・華道研究会など
④ 明治35年（1902年）：子守学校を設置
⑤ 昭和8年（1933年）：三銭幼稚園を開設
⑥ 昭和11年（1936年）：會津婦人會隣保館起工
⑦ 昭和17年（1942年）：東久邇宮大妃殿下の御来館、この記念事業として結婚相談所を開設

■ 歴代会長

佐治長子　佐瀬しを子　長谷川よし子　
金子きし子　木村貞子　木村芳江　
小林はま　赤城いし　遠藤八重　東條ヨシ